惜しくも早世してしまったマンガ家ねこぢるは、「無邪気そうな猫が残酷なことを平気でどんどんやってしまう」突き抜け方が一部の熱狂的な支持者を呼び、「ガロ」からメジャーな雑誌にまで進出しましたが、残念な結果となってしまいました。彼女の自殺については色々憶測も流れましたが、過剰な仕事量や、言い方が陳腐ですが、一般社会に迎合する自分自身が嫌になってしまった、というのも彼女の自殺の一要因ではなかったか、などと失礼ながら推測してしまいます。いや、彼女の自殺そのものに過剰な意味を付与しない方が彼女のためかも知れませんので、これ以上言及は避けますが、彼女のある種「一途さ」「真面目さ」が彼女自身を追いつめていったことは確かだろうと思います。

非常識で幼児的残酷さに満ちた彼女の感受性が、意外にまともで良識的なのは、彼女のエッセイ漫画を読めば分かると思います。

読んでみて、駄目な人は駄目でしょうし、はまる人は徹底してはまるタイプのマンガ家です。

　

＜お薦め作品＞

『ガロ』での連載をまとめた初期作品集。彼女らしさが全てこの本の中にあります。

　

　

彼女が旦那さん（マンガ家の山野一）と一緒に行ったインド旅行記。『地○の歩き方　インド編』と並行して読もう。