この人もヤングマガジンに連載した『GOD SAVE THEすげこまくん！』でメジャーになりましたが、それまでははっきり言って、マイナー且つカルトな漫画家でした。産経新聞でこつこつ子育て漫画を描いていましたが、あんなに書き込みが多いと、ちゃんとしたファンしか読まなかったと思います（『ちいさなのんちゃん』アスペクトコミックス、１９９９年）。一般受けを狙うなら、けらえいこ（『たたかうお嫁さま』『セキララ結婚生活』などの作者）を目指さなくちゃ（笑）。

さて、僕が彼女を知ったのは『みすてないでデイジー』です。この初期作品には、それ以降の彼女の作品のエッセンスが全て詰まっています、というか、この人ほど同じテーマで漫画を書く人は多分漫画界広しと言えどもいないんではないでしょうか。もう「同工異曲」というような四文字熟語も無効な世界に突入しています。眼鏡をかけてやせ形の理系タイプの白衣を着た青年（少年）が、おかっぱ頭の可愛い女の子を偏執的に一方的に好きになり（要するにストーカーですね）、いじめたりする、というストーリーです。このストーリー紹介だけ読むと何がなんだか分からないでしょう。とにかく、主人公のメガネ君の「猛烈な寂しさ」に感電してください。

最近は女の子を主人公においた作品も多くなってきました。

ちなみに、永野さんはかなりの「オタク」です（良い意味でも悪い意味でも）。

　

　

＜お薦め作品＞

「ALL ABOUT 永野のりこ」と言える作品。主人公歩野（てくの）零二郎に感情移入できれば、あなたも立派な永野信者。

　

「とってもLOVEなアレだね−きみのハートの欠けおちたとってもアレな部分にぴったりおさまる奇跡のヒーリングまんが！リリカルものから超マニアックネタまでアレしちゃう永野のりこのアレな短編集」という帯の文句そのまま。

　

　

＜参考＞

ミミちゃん（慶応の学生による永野のりこに関する総合情報ページ。ちなみにミミちゃんとは、『デイジー』の主人公歩野君のペットのミサイルの名前）